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 ボクサーが欲しい

 貴方がもしボクサーを飼おうと思う時、一番に思いつくのがペットショップからの購入でしょう。
しかし、最近はボクサーの繁殖も少なく、ボクサーを常時扱えるペットショップは、そうはありません。

その前に、貴方がどういう目的でボクサーを飼うかが重要です。
それによって、ボクサーを求める窓口も変わってくることを知っておく必要があります。
というのは、繁殖や、ドッグショー(審査会)を目指す場合、貴方の求めるようなボクサーは一般的には流通しにくいからです。
その場合は、常に研究を怠らず、ボクサーの発展に寄与しようとする熱心なブリーダーから仔犬を譲ってもらう必要があります。

繁殖とドッグショーは、密接な関係があります。
ヨーロッパでも、ドッグショーは、犬種を維持向上させるための繁殖システムの一環として位置付けられており、ドイツではドッグショーのことを「繁殖展」と呼んでいるくらいです。
ですから、繁殖を志す人は、自然ドッグショーにも積極的にチャレンジすることになると思います。

貴方がボクサーを求めるまでに決めておきたいことを、いくつか挙げてみましょう。


1.貴方の準備できる環境でボクサーが飼えるか

 まず最初に、貴方の提供できる環境で、ボクサーが飼えるか否かを考察する必要があります。
ボクサーを飼うにあたって必要な条件は以下のとおりです。

①繋いで飼わないこと(室内、あるいは庭などでの放し飼いが可能か)
 
 そもそも、犬は繋いで飼うべき動物ではないと考えますが、経済先進諸国の中でも最低レベルの犬後進国である日本では、未だ自治体の条例などで繋いで飼うことを義務付けています。
しかし、ボクサーは、繋いで飼って、心身ともに健全に発育する犬種ではありません。
広くなくても良いですから、自由にさせてあげるスペースが必要です。
綺麗好きで、犬独特の臭いも少なく、室内で飼うのにとても適していますし、室内で共に暮らすことにより、よりよい関係が構築できると思います。

②運動する時間があること
 
 ボクサーは、活発な犬種です。
体躯も立派ですから、適切な運動をさせてあげることが必要です。
いかにも運動不足のひ弱なボクサーや、肥満のボクサーは、健康上においても心配です。

③適切な食餌が与えられること
 
 ボクサーは、活発に動き、体躯も立派になります。
健康のためにも、残飯や廉価で粗悪なフードでは、健全に育ちません。
特別上等な食餌は必要ありませんが、例えばドッグフードであれば、プレミアムフードとよばれる質の物を与えていただきたいものです。
勿論、手作りでも構いません。

④寒さ、暑さのしのげる場所があること
 
 室内であれば、人がそこそこ快適に暮らせる室温でしょうから、問題ないと思います。
屋外であれば、冬は風を凌ぎ、保温できる環境を整えてあげること、夏であれば、絶えず日陰が作れる環境であることが重要です。
特に冬の寒い風が通る場所で暮らしているボクサーは、いくら食餌を与えてもガリガリに痩せてしまいますし、夏に涼める日陰の無い場所では、生きていくことすらできません。

⑤生涯愛情深く接することができるか

 ボクサーは、飼い主やその家族を慕い、いつも一緒にいたいと思っています。
もちろん、仕事やその他で常に一緒にいることは不可能ですが、とても家族思いの愛情深い犬種で、いつも、ボクサー自身も可愛がられたいと思っています。
ボクサーは、容姿も美しいですが、決して観賞用などではなく、家族同様に愛情深く暮らしていけることが大切な条件になると思います。


2.性別

 牡にするか牝にするか・・・
もし貴方が、将来繁殖をしてみたいと少しでも思うのであれば、当然牝ということになります。
全く繁殖をする気がないというのであれば、牡が良いかもしれません。

どちらでも良いという人には、牝をお勧めします。
何故なら、繁殖しようと思えばいつでも牡を選んでできますし、第一牡よりもひとまわりからふたまわり小さいので、体力的には幾分扱いやすいからです。
牡を飼ってしまえば、相当優秀でないか、貴方が牝をもう1頭飼わない限りは、なかなか子孫を残せるものではありませんし、単純に優秀だからと言って、一緒に飼っている牝にとって、繁殖の理想としての相手であるとは限りません。
また、繁殖を志す人は、少しでも血統の良い、欠点の少ない、美点を多く持った牝を得ようとすべきです。
なぜなら、相手の牡次第では素晴らしい仔犬を得ることができる可能性が高くなるためです。
ボクサーのスタンダードに近いボクサーほど、つまり「ボクサーらしいボクサー」ということになりますし、そうしたボクサーを繁殖しようと努めることが重要です。

一方で、ボクサーの大きな魅力である、威風堂々とした趣は、牡の醍醐味でもあります。
私の経験では、一般的に牡は、牝にはない、いじらしいまでの純朴さと可愛らしさを感じます。

こうしたことも考慮に入れて、性別を決めることをお勧めします。


3.ドイツタイプとアメリカタイプ


 次に、日本ではドイツタイプのボクサーとアメリカタイプのボクサーが存在しますので、どちらを求めるか決めた方が、貴方の理想とするボクサーを手に入れやすいと思います。
見た目にも気性的にもかなりタイプが違いますので、一度はドッグショーなどに出かけて確認しておきたいものです。
ドイツタイプとアメリカタイプの違いは、こちらをご参考下さい。


4.ペットか、ショー用か

 正確には、「ペット用」「ショー用」という区分けはありません。

「ショー用」というのは、見た目も性質も、いわゆる「ボクサーらいしボクサー」であり、健全であり繁殖にも適した資質を持つボクサーのことで、「ショーに出すためのボクサー」だということではありません。

一方で「ペット用」というのは、「ペットに適しているボクサー」ということではなく、中にはボクサーらしくない容姿、性質であったり繁殖に向かないボクサーもあると思います。

 シンプルにペットとして飼いたいのか、あるいは繁殖したり、ドッグショーに参加したり、訓練したりしてボクサーの醍醐味を楽しんでみたいのかで、求める先も変わってきます。

ペットとして飼う場合は、極端に言うと健康であることが一番の条件になりますが、その他の目的がある場合は、購入するまでに色々と勉強しておいた方が良いでしょう。
ボクサーについて多少なりの知識を持って、あなたの理想とするボクサーがイメージできてから求めるほうが良いと思います。

又、熱心な繁殖者は常に理想のボクサーを追求して優秀犬の作出に心掛けていますから、その結果である仔犬には是非表舞台で活躍してもらったり、牝であれば繁殖してその優秀なボクサーの血脈を伸ばしていってほしいと思うものですし、そうしてくれる人に飼って欲しいと思うものです。
そうでないと、折角熟考して計画的に繁殖する意味が半減してしまうからです。そのあたりを考慮して、目的に合った繁殖の仔犬を選ぶことが大切です。


5.毛色

 私個人の意見としては、色々な意味で、毛色にこだわることは良い結果を生まないと思います。
特に繁殖やドッグショー、訓練競技会を目指す場合は、毛色に拘ってしまうと、本当に良いボクサーを逃すことにもなりかねません。
いづれの目的で飼うにしろ、毛色で希望を限定してしまうと仔犬を選ぶ際の選択肢が少なくなってしまうのは確実です。
ボクサーに限らず、毛色以外に重要なことが、沢山あります。 どんな目的で飼うにしても、健康であること、性格が良い
犬を求めることが一番重要であることに、説明の余地はないと思います。
また、スタンダードに基づいた「理想とするボクサー像」で、毛色に触れられている点は極僅かです。
ホワイトマーキングが全身の1/3以内に収まっていること、顔頭部の正しい位置にブラックマスクがあることくらいで、茶であろうが縞であろうが、ホワイトマーキングがあろうがなかろうが、ボクサーの質の良し悪しには関係ありません。
あと、私のこれまでの経験上の感想では、どんな毛色のボクサーでも、飼ってしまえばすぐに慣れてしまいますし、あるいは、拘って理想の毛色のボクサーを手に入れても、後年、違う毛色のボクサーも飼ってみたいと思うようになる人が沢山います。
つまり、飼う前、最初の印象だけの問題なのです。
毛色のみを指定して仔犬を希望される方が大変多いのですが、ボクサーを繁殖している人の多くの人たちは、このことに嫌気すら感じています。
ボクサーは、ぬいぐるみではありません。 出切る限り、毛色に拘られないことをお勧めします。


6.予算

 私の周りでは、良血のボクサーで20万円~30万円くらいが多いように思います。 
繁殖者の考え方によって値付けは幾分違ってくるようですが、ペット用とそれ以外とで値段に差をつける人、つけない人、様々です。
このあたりの考え方に正解はなく、求めようとする方々が判断されることになると思います。
ただし、ペットショップでは、これらの倍近くするはずですし、良血の優秀なボクサーがショップに並ぶ事は殆ど無いと思います。
あと、犬を迎えるにあたって、仔犬を購入するそのものの費用以外に、犬を飼うには様々な道具が必要ですし、質の悪いフードでは上手く育ちませんし、生き物ですから、医療費も必要です。
繁殖者も、そのあたりを重々考慮して、譲渡するにあたって信用に足る相手か否かを判断していますので、ご注意下さい。


 以上が決まれば、さっそく貴方の求めるボクサーを探すことになるわけですが、近年はすっかりボクサーを含む中型犬以上の繁殖が減ってしまいました。
本サイトでは、常時ご紹介しておりますので、ご希望の方は「仔犬情報」のコーナをご覧の上、こちらまでご連絡下さい。

 
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