まず最初に、白いボクサーの淘汰の是非を考える前に色々な検討要素について知っていただくことが必要だと考えます。
ここでは何故白いボクサーはスタンダードから除外されたのかを説明しましょう。
実は、ボクサークラブ設立当初は白や斑のボクサーもスタンダードとして認められていたのです。
しかし、繁殖を続けていくに従って白いボクサーの中には以下の欠陥を持つ犬が出てくることが判りました。
①聴覚障害
(聞こえ難い、あるいは全く聞こえない等の症状が報告されています。)
②視覚障害
(具体的な症状は報告されていませんが、全盲という報告は一切ありません。やや信憑性に欠けます。)
③虚弱体質
(主に、日焼けしやすい等の皮膚の問題と思われますが、皮膚病ということではありません。
その他、特に病弱であるというような報告はありません。)
④アルビノ(色素退化)
勿論全ての白いボクサーに当てはまることではないのですが、白いボクサーにこれらの障害を持つ犬が出ることが判った以上、計画的に犬種を維持していくためには、これらの白いボクサーを繁殖に使うことはできないとの判断に至ったわけです。
特に、④のアルビノは、例えばウサギなら赤い目の白ウサギ、その他人を含め多くの哺乳類に見られる色素退化ですが、ボクサーにはこのアルビノから特に障害を持つ犬が出たのです。
この結果、1925年のスタンダード改正で、まず真っ白いボクサーが除外されました。真っ白いボクサーの中には、純粋に毛が白いだけのボクサーとアルビノがいるわけですが、見分けを付け難いとの理由からいづれも除外されました。
次いで1938年の改正で斑の毛色が除外されることになりました。
理由は、斑のボクサーは、白いボクサーやアルビノのボクサーを出しやすいからです。
このように、単に毛色云々で白いボクサーを除外したわけではなく、「健全」という点を重視した、つまり犬種を健全に存続させていくためには必要だった判断だったのです。
このことからも、
貴方が白いボクサーを飼っても、決して繁殖に使ってはならない
ということを理解していただけると思います。
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